(PHP 4, PHP 5)
session_set_save_handler — ユーザ定義のセッション保存関数を設定する
session_set_save_handler() は、セッションに 関連するデータを保存および取得するために使用されるユーザ定義の セッション保存関数を設定します。この関数は、セッションデータを ローカルデータベースに保存する場合のように PHP セッションにより 提供されるもの以外の保存方法を使用したい場合に有用です。
open 関数。これはクラスのコンストラクタのようなもので、 セッションがオープンした際に実行されます。 オープン関数が受け取るパラメータはふたつで、 最初が保存パス、次がセッション名です。
close 関数。これはクラスのデストラクタのようなもので、 セッションの操作が終了した際に実行されます。
save ハンドラが期待通りに動作するように read 関数は常に文字列を返す 必要があります。データがない場合には、空の文字列を返してください。 他のハンドラからの返り値は、論理式、すなわち成功した場合に TRUE、 失敗した場合に FALSE を返します。
注意: "write" ハンドラは、出力ストリームが閉じてから実行されます。 したがって、"write" ハンドラ内でデバッグ出力を行っても、 それはブラウザに表示されません。 デバッグ出力が必要なら、それをファイルに書き出すようにしましょう。
destroy ハンドラ。これは、セッションが session_destroy() で破棄された際に実行されます。唯一のパラメータとしてセッション ID を受け取ります。
ガベージコレクタ。これは、 セッションのガベージコレクタが実行されたときに実行され、 唯一のパラメータとしてセッションの最大有効期間を受け取ります。
成功した場合に TRUE を、失敗した場合に FALSE を返します。
例1 session_set_save_handler() の例
以下の例では、デフォルトの保存 files に似た ファイルベースのセッション保存を行います。この例は、PHP がサポート する任意のデータベースエンジンを用いてデータベースへの保存を行う ように容易に拡張可能です。
<?php
function open($save_path, $session_name)
{
global $sess_save_path;
$sess_save_path = $save_path;
return(true);
}
function close()
{
return(true);
}
function read($id)
{
global $sess_save_path;
$sess_file = "$sess_save_path/sess_$id";
return (string) @file_get_contents($sess_file);
}
function write($id, $sess_data)
{
global $sess_save_path;
$sess_file = "$sess_save_path/sess_$id";
if ($fp = @fopen($sess_file, "w")) {
$return = fwrite($fp, $sess_data);
fclose($fp);
return $return;
} else {
return(false);
}
}
function destroy($id)
{
global $sess_save_path;
$sess_file = "$sess_save_path/sess_$id";
return(@unlink($sess_file));
}
function gc($maxlifetime)
{
global $sess_save_path;
foreach (glob("$sess_save_path/sess_*") as $filename) {
if (filemtime($filename) + $maxlifetime < time()) {
@unlink($filename);
}
}
return true;
}
session_set_save_handler("open", "close", "read", "write", "destroy", "gc");
session_start();
// セッションを通常通り使用します。
?>
PHP 5.0.5 以降、write ハンドラおよび close ハンドラはオブジェクトが破棄されたあとにコールされます。 そのため、セッション内でデストラクタを使用可能ですが、 ハンドラ内ではオブジェクトを使用できません。
この「ニワトリが先かタマゴが先か」の問題を解決するために、 デストラクタから session_write_close() を コールすることが可能です。
SAPI の種類によっては、スクリプトの終了時にセッションを閉じると 現在の作業ディレクトリが変わってしまうことがあります。これを防ぐには、 事前に session_write_close() でセッションを閉じます。