PEAR の初期においては、新しいパッケージの投稿は、PEAR 開発者メーリングリストにメールを出すという略式なものでした。 時が経つにつれ、新たなパッケージの投稿の数も劇的に増加し、すべての投稿を把握することが 難しくなって来ました。
そこで、問題を解決するために、WEB ベースの投稿管理システムが構築されました。 そのシステムは、PEPr と呼ばれています。 "PEAR Proposal system" の略称で、スパイス(の胡椒)と同じように発音されます。
この章では、まず、PEPr を用いて投稿を行う際の要求事項とワークフローについて述べます。 ついで、実際に投稿する方法についての情報を提供します。 最後に、投稿が採択された後に行うべき事柄について説明します。
この章を読めば、すぐにパッケージを投稿することができることでしょう。
投稿する 前 に行っておく必要のある事項は、以下の通りです。
パッケージの名称を決める
各パッケージは、当然、それぞれ異なる名前である必要があります。 適切なパッケージ名はどうのようなものか"感じる"ために、 既存パッケージ一覧を 参照してください。
パッケージ名の選択は、ある種の反復プロセスで、 投稿採択プロセス中に名前を変更することになるかも知れません。
パッケージの所属カテゴリを決める
パッケージの名称がそれぞれ異なるということに関連していますが、 パッケージはカテゴリに所属する必要があります。 カテゴリは、パッケージブラウザに リストされています。
パッケージの説明を書く
投稿するには、パッケージの説明が必要です。 この説明には、パッケージについて細部まで細かく記述する必要は無いですが、 少なくとも、基本的なコンセプトと機能の一覧については記しておくべきです。 パッケージが受け入れられたら、1行にまとめた概要と、全文の説明を 書くこととなります。
パッケージのライセンスを選択する
各パッケージは、認定済みのオープンソースライセンスの基で利用許諾される 必要があります。オープンソースライセンスについて良く知らないのならば、 新 BSD ライセンスを選ぶと良いでしょう。 PEAR グループは、この件に関連して、 ライセンスについてのアナウンスメント (License Announcement) を発表しています。
サンプルと文書を書く
サンプルや文書なしでは、PEAR 開発者がパッケージを評価することができませんし、 ユーザがパッケージを利用することもできません。
依存性を示す
他の PEAR パッケージや特定の OS や外部アプリケーションなど、 パッケージの実行に必要な外部要素を列挙し、依存性のリストを作成します。
例 15-1依存性リストの例 パッケージは、Linux でのみ動作し、DB パッケージ、および バージョン 1.8.4 以降の Log パッケージを必要とし、 PHP 4.3.0 以降でのみ動く場合、依存性リストは以下のようになります。
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