vCard の各行が、vCard のコンポーネントになります。 コンポーネントの行は、次の三つから構成されています。
コンポーネントの型の定義 (N、 ADR、TEL など)
オプションで指定する、コンポーネントのパラメータ。たとえば バイナリエンコードされているかどうかや、データの型 (home/work/preferred/など) など。
コンポーネントの値 (単一のテキスト、複数のテキスト、 あるいは構造化されたテキスト)。
たとえば次のような行を見てみましょう。
ADR;TYPE=WORK,PREF:;;123 Main;Beverly Hills;CA;90210;US EMAIL;TYPE=HOME;TYPE=INTERNET:nobody@example.com CATEGORIES:Personal,Business,Family PHOTO;TYPE=JPEG;VALUE=URI:http://example.com/photo.jpg |
一行目は ADR 型 (連絡先の住所) の定義です。 TYPE パラメータが WORK および PREF に設定されています。 これは、この住所が職場のものであり、配送先として推奨するものであることを表します。 最後に、このコンポーネントの値が構造化テキストで定義されています。 構造化テキストの値は、ADR コンポーネントの場合はセミコロンで区切られます。 それぞれの値は p.o. box、extended address、street address、city/locality、 state/region、zip/postal code そして country を表します。
二行目は EMAIL 型 (email アドレス) の定義です。 TYPE パラメータが HOME および INTERNET に設定されています (つまり、家で使うためのインターネットメールアドレスということです)。 コンポーネントの値は単一のテキストで、これが email アドレスを表します。
三行目は CATEGORIES 型 (この vCard の全般的な分類) の定義です。 このコンポーネントにはパラメータはありません。 コンポーネントの値は繰り返しテキストで、 繰り返されるテキストはカンマ区切りとなります。
四行目は PHOTO 型 (個人の写真) の定義です。パラメータで、写真の TYPE が JPEG (vCard デコーダに対して、この PHOTO の値を処理する際のヒントを指定しています)、 そして VALUE が URI (外部の画像ファイルへのリンク) であることを指定しています。 最後に、コンポーネントの値がテキストで指定されています。 この場合は、写真の URI です。