属性

属性 -- エントリの属性の 読み込み/追加/変更/削除

属性の読み込み

読み込める属性は、検索時にどの属性を選択したかに依存します。 検索時に選択した属性にしかアクセスできません! 属性の値を読み込むには、Net_LDAP_EntrygetValues() メソッドあるいは getValue() メソッドを使用します。 getValue() は、属性名をキーとする配列を返します。 getValues() には以下のオプションを渡すことができます。

エントリの識別名 (DN) を読み込みたい場合は、 別のメソッド dn() を使用します。

属性を表す正規表現

PEAR::Net_LDAP は、正規表現で属性にマッチさせるという独特の機能を持っています。 すべての値を取得した後で自分で正規表現を適用するといった手間は不要です。 Net_LDAP_Entrypreg_match() 関数を利用しましょう。この関数の挙動は PHP の preg_match() と同じですが、$matches 配列の構造が少々異なり、 PHP の preg_match() よりも次元の数がひとつ多くなっています。 これは、属性が複数の値をとることがあるからです。 $matches を渡す際は、かならず「参照渡し」とするようにしましょう。 そうしないと $matches は空っぽのままとなります。 preg_match() は、結果に応じて true あるいは false を返します。

属性の変更に関する一般的な注意

属性の変更がどのように行われるのかを知っておきましょう。 Net_LDAP_Entry オブジェクトに対して変更した内容は、 ローカルにしか存在しません。ひととおりの変更をすませた後で それをディレクトリサーバに転送したければ、 Net_LDAP_Entry オブジェクトの update() をコールする必要があります。 これは TRUE あるいは Net_LDAP_Error を返します。 もうひとつ注意すべき点として、属性の値を追加したり変更したり削除したりしたい場合は その属性を検索時に選択しておく必要があります。 そうしないと処理は失敗します。この場合、Net_LDAP はたいてい何のエラーメッセージも出さずに終了するので、 うまくいったかのように勘違いしてしまう可能性があります。 Net_LDAP は、これから作業しようとしている属性について知っている必要があるということです!

Net_LDAPmodify() メソッドで属性を変更することも可能です。このメソッドは、 指定した Net_LDAP_Entry オブジェクトに対して ここで説明したメソッドを実行し、その後で直接 update() をコールします。 つまり、このメソッドで適用した変更は、すぐにサーバにも反映されるというわけです。 パラメータには、変更する内容を配列で指定します。 これは、初心者にはお勧めしません。 ここで説明している内容だけでは不十分でしょうから、詳細は 最新の API ドキュメントで確認してください。

属性の追加

エントリに属性の値を追加するのは簡単です。 単に add() をコールすればいいだけです! パラメータには、属性名をキーとしてその値を関連付けた配列を渡します。 値がひとつだけの場合は、値は文字列で指定します。 指定した属性が存在しない場合は属性が新たに追加され、 存在する場合にはその属性に値を追加します。

属性の変更

値を変更するには replace() メソッドを使用します。 値を追加するのと同様に簡単です。しかし、 値の追加よりもほんの少し気を使う必要があります。 このメソッドのパラメータには、 指定した属性の変更後の状態を表す配列を指定します。 つまり、仮に NULL を指定したとすると、 その属性が削除されてしまうということです! 値がひとつだけの場合は文字列で指定することもできます。 配列のキーが属性の名前に対応します。

属性の削除

delete() メソッドを使用すると、 ある属性から特定の値を削除したり属性そのものを削除したりすることができます。 属性の名前を配列のキーに、 そして削除したい値をそのキーに対応した値として指定する必要があります。 属性全体を削除したいのなら、一次元の配列で指定します。 パラメータの配列を省略したり NULL を指定したりした場合は、エントリ全体が削除されてしまうことに注意しましょう! また、2 つの方式を同時に使用することはできません。 つまり、ある属性そのものを削除しつつ、 同時に別の属性の特定の値だけを削除するといったことはできないということです。