この"ミニチュートリアル"では、 簡単な認証機構を利用してシステムを構築し、 サイトをセキュアにすることを目標とします。
セキュアにしたいサイトのはじめに、以下の短いコードを置いてください。
例 34-1PEAR::Authの典型的な使用例
このような短いコードでも、認証システムを実現できています。 最初の行では、PEARディレクトリからファイルを読み込んでいます。 そのファイルには、PEAR::Auth の実行に必要なコードが全て含まれています。 次に、ページの閲覧者がログインデータを入力するために使用する ログインフォームを表示する関数を定義します。 この関数のHTML フォーマットは自由に変更することが出来ます。
この例では、ログインデータの検証にデータベースを使用するので、 変数$dsnを作成します。 この変数には、 PEAR::DB によるデータベース接続に使われる有効なDSN文字列を指定します。 デフォルトのテーブルスキーマについて、および データベース以外のストレージコンテナを使用する方法については、 後述の説明を参照下さい。 その後、認証オブジェクトを作成します。 はじめの引数には、ストレージコンテナ名を指定します。 ここでは、データベースによるストレージコンテナを使用するので、 "DB"を渡します。 2番目には、使用するストレージコンテナのドライバへの コネクション引数です。 ここでは、定義済のDSN文字列を使います。 3番目の引数は、スクリプトの最初で定義した関数の名前です。 この関数は、ログインフォームを表示します。 ついで、認証オブジェクトを初期化します。そして、 ユーザがログインしているかどうか調べる必要があります。 これは、checkAuth()メソッドにより行います。 TRUEが返されると、ページの内容をユーザに示すことができます。 |
例 34-2認証の選択的な使用
上記は、ログイン機能を選択的に使用する例です。 最後の$optionalパラメータは、 TRUEまたはFALSEとします。 FALSEとした場合、ログインフォームは表示されず、 ユーザは「すべての人がこのテキストを読めます。」 の文だけを見ることができます。 もし、ユーザがこのページ上部のリンクをクリックすると、 GETパラメータが"login=1"となって、同じページに接続します。 今回は、ログイン情報をログインフォームに入力できます。 ログインに成功すると、 「すべての人がこのテキストを読めます。」の文と 「ログインした人だけが、ここを見れます。」 の文の両方を見ることができます。 |
例 34-3ログアウト機能 以下の例では、現在のユーザをログアウトさせ、 ログインフォームを再び表示します。
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以下では、PEAR::Authの機能についての 詳細を示します。
次のSQL文は、MySQLを使用して、 データベース認証用のデフォルトのスキームを作成します。
CREATE TABLE auth ( username VARCHAR(50) default '' NOT NULL, password VARCHAR(32) default '' NOT NULL, PRIMARY KEY (username), KEY (password) ); |
認証を機能させるために必要なテーブル名とフィールド名が示されています。 PEAR::Auth のデフォルトの暗号化方式である MD5 アルゴリズムでパスワードのハッシュ値を計算する場合、 password カラムは、32文字以上とする必要があります。 他の暗号化方式、たとえばDES ("UNIX crypt") など、を使用する場合は、 それに合わせてカラムサイズを変更する必要があります。